
レガシーモダナイゼーションを完遂するフルスタック監視の重要性
レガシーシステムの現代化において重要なのは、移行技術だけではありません。実際に企業が直面する課題は、長年の運用で誰も全容を把握できなくなった「ブラックボックス」の存在と、移行完了後に突如発生するパフォーマンス低下です。デジタル化が加速する昨今、既存のIT基盤をいかに時代に適応させ、かつ安定した稼働を確保するかは企業経営における最優先の戦略課題となっています。
本記事では、モダナイゼーションに潜む「見過ごされやすいリスク」を明らかにし、フルスタック監視ツール「exemONE」による複雑なシステム環境の可視化と最適化に向けた実践手法をご紹介します。
\情シス向け! “可観測性”で変わるデータベース運用についてはこちらの資料から/
目次[非表示]
- 1.レガシーモダナイゼーションが怖いと感じる3つの正体
- 1.1.仕様書不在でブラックボックス化した複雑怪奇なスパゲッティコード
- 1.2.移行後に表面化する想定外のパフォーマンス劣化とレスポンス遅延
- 1.3.既存ベンダーの属人化による現行踏襲という名の思考停止リスク
- 2.失敗しないための安全なクラウド移行・刷新3つのアプローチ
- 3.性能劣化の不安を払拭する「可視化・分析」の具体的な進め方
- 3.1.ステップ1:現状のSQL実行計画とリソース使用状況の徹底的な棚卸し
- 3.2.ステップ2:新環境での負荷シミュレーションとチューニングポイントの特定
- 3.3.ステップ3:カットオーバー直後の異常検知と迅速なロールバック判断基準
- 4.重要なのは移行後、運用に入ってからの問題の早期発見、改善
- 5.複雑なシステム環境のブラックボックスを解消し、最適化を支援する「exemONE」
- 6.まとめ
レガシーモダナイゼーションが怖いと感じる3つの正体
レガシーシステムの刷新は、ビジネスの柔軟性を高めるために不可欠です。しかし、現場の担当者が抱く恐怖心には実体があります。
長年蓄積された技術的負債が、移行の足かせとなる具体的な要因を深掘りします。
仕様書不在でブラックボックス化した複雑怪奇なスパゲッティコード
多くのレガシーシステムでは、開発当時の設計書が現存していないか、あるいは度重なる修正によって実態と乖離しています。ソースコードそのものが唯一の仕様となっている状態(コード・アズ・仕様)では、一部の変更が予期せぬモジュールに影響を及ぼす「副作用」を予測できません。
「どこに触れたら壊れるかわからない」という不透明さが、エンジニアに心理的なブレーキをかけ、結果としてシステムのブラックボックス化を加速させているのです。
移行後に表面化する想定外のパフォーマンス劣化とレスポンス遅延
オンプレミスで最適化されていたシステムをクラウドへ移行した際、インフラの構造変化によって隠れていたボトルネックが懸念事項となります。特に仮想化環境やクラウド特有の共有ストレージによるI/O制限、ネットワークレイテンシの増大は、事前のコード分析だけでは予測困難です。
移行直後にユーザーから「画面が重くなった」というクレームが相次ぐ事態は、プロジェクトの信頼性を根底から揺るがす懸念事項となります。
既存ベンダーの属人化による現行踏襲という名の思考停止リスク
特定ベンダーや一部のベテラン社員にしか運用がわからない「属人化」も、モダナイゼーションの目的を形骸化させる要因です。
新しい技術スタックへの挑戦よりも現状の仕組みをそのまま模倣する「現行踏襲」が最優先され、クラウドネイティブなメリットを活かせないリフト(単純移行)に終始してしまいます。技術負債を新環境に持ち越すだけであり、数年後に再び同様の維持困難な状況を招く負の連鎖を生み出します。
失敗しないための安全なクラウド移行・刷新3つのアプローチ
移行のリスクを最小化するには、単に「置き換える」だけではなく、戦略的な手法の選択が不可欠です。ここでは、移行コストとビジネス価値のバランスを最適化するための具体的なアプローチについて解説します。
リホスト・リプラットフォーム・リアーキテクチャの選び方
自社の資産状況と将来の拡張性を天秤にかけ、最適な手法は以下のマトリクスから判断してください。
移行手法 | 特徴 | 推奨されるケース | リスク |
リホスト (Rehost) | OSやアプリを変えずそのままクラウドへ | 短期間でのコスト削減を優先する場合 | 低 |
リプラットフォーム (Replatform) | 基本構成は維持し、DB等をクラウドサービスへ | 運用負荷(パッチ当て等)を軽減したい場合 | 中 |
リファクタ (Refactor) | クラウドネイティブに設計から作り直す | 劇的な性能向上やスケーラビリティが必要な場合 | 高 |
現行保証だけでは不十分?移行後のスケーラビリティを確保する設計
単に「今の処理が動くこと」だけを目標にしてはいけません。クラウド移行後の成功を左右する設計ポイントは、以下のとおりです。
オートスケーリングへの対応:ステートレスな設計を導入し、負荷に応じて自動増減可能にする
データベースの疎結合化:アプリとDBを密結合させず、API経由やメッセージキューを活用した設計
リソース制限の最適化:物理サーバーと異なり、クラウドでは設定ミスがそのまま高額請求や性能劣化に直結することを意識する
\情シス向け! “可観測性”で変わるデータベース運用についてはこちらの資料から/
段階的な移行によるビジネスインパクトの最小化
一括移行(ビッグバン移行)は、失敗時のビジネス損失が甚大です。以下のステップでリスクを分散しましょう。
周辺系・独立系の移行:業務影響の少ないサブシステムから着手し、知見を溜める
ハイブリッド運用の維持:旧環境と新環境を並行稼働させ、データの同期を保ちながら順次切り替える
ストラングラーパターンの適用:新機能は新環境で開発し、古い機能を徐々に廃止・吸収していく
性能劣化の不安を払拭する「可視化・分析」の具体的な進め方
モダナイゼーションにおいて「感覚」で進めることは禁物です。客観的なデータに基づき、現状のパフォーマンスを数値化して管理する具体的なステップを解説します。
ステップ1:現状のSQL実行計画とリソース使用状況の徹底的な棚卸し
移行前に「現在の正解」を定義するために、以下の項目を網羅的に記録(ベースライニング)します。
DBパフォーマンス:高負荷なSQLのトップ10、実行頻度、平均応答時間
リソース消費:CPU/メモリ/ディスクI/Oのピーク時および定常時の使用率
実行計画の保存:特定のSQLがどのパスを通っているかの証跡
上記がないと、移行後に「遅くなった」といわれた際に反論や原因特定ができません。
ステップ2:新環境での負荷シミュレーションとチューニングポイントの特定
新環境(クラウド)においては、現行と同じ負荷をかけても期待通りの速度が出るかも確認しましょう。
擬似負荷テスト:ツールを用いて本番想定のトラフィックを再現する
パラメータの最適化:OSやDBのパラメータをクラウドのインスタンスサイズに合わせて微調整する
ボトルネックの早期発見:テスト段階で判明した遅延要因を、カットオーバー前に確実に潰し込む
ステップ3:カットオーバー直後の異常検知と迅速なロールバック判断基準
移行当日、正常に動作しているかを判断するための「KPI(重要業績評価指標)」をあらかじめ設定しておきます。
エラーレート:5xxエラーなどの発生率が閾値を超えたら即座に警戒する
レスポンスタイム:ユーザー体験を損なう遅延が継続していないか確認する
ロールバックのデッドライン:業務開始までに解決できない場合、何時までに旧環境へ戻すかの最終判断時刻を明確にする
重要なのは移行後、運用に入ってからの問題の早期発見、改善
移行はあくまでスタートラインです。複雑化したモダンなインフラ環境では、運用フェーズに入ってからが本当の勝負となります。
いくら事前対策しても問題は起きること理解しておくこと
「事前のテストを完璧にすればトラブルはゼロになる」という考えは、クラウド時代の複雑なシステムにおいては非現実的です。マイクロサービス化や外部APIとの連携が増える中で、未知の依存関係による障害は必ず発生します。
重要なのは「障害を起こさないこと」ではありません。障害が起きた後に「最短で検知し、原因を特定して復旧させる」レジリエンス(回復力)の向上に注力することです。
ボトルネックを特定するフルスタック・モニタリングの必要性
問題発生時、インフラ担当・DB担当・アプリ担当がそれぞれのツールで原因を探す「サイロ化」した運用では、解決までに膨大な時間を要します。
統合監視:アプリのレスポンスからDBのロック待ちまでを一つの時間軸で俯瞰する
End-to-Endの可視化:ユーザーの要求がどのコンポーネントで滞留しているかを瞬時に特定する
相関分析:CPU使用率の上昇が、どの特定のSQL実行によるものかを紐付ける
複雑なシステム環境のブラックボックスを解消し、最適化を支援する「exemONE」
高度化するシステムの監視課題をワンストップで解決するのが、フルスタック監視ソリューション「exemONE」です。
全レイヤーの一元管理:DBからOS、ネットワークまでを一つのダッシュボードで可視化
exemONEは、システムの全階層を統合的にモニタリングするための強力な機能を備えています。
データベース特化の深層分析:Oracle・SQL Server・MySQL・PostgreSQLなど、主要DBの内部動作を詳細に可視化する
インフラ連携:サーバーやネットワークの負荷状況をDBのパフォーマンスと紐づけて表示する
直感的なUI:専門知識が必要なメトリクスも、色分けやグラフによって直感的に「異常」を把握できる
「exemONE」の詳細は、以下から確認してください。
ブラックボックス化したシステムでも「何が起きているか」を即座に把握
「原因不明の遅延」を瞬時に解明するためのアプローチを提供します。
ドリルダウン分析:ダッシュボードの異常箇所をクリックするだけで、原因となっているクエリやプロセスを即座に特定できる
リアルタイム監視:1秒単位の解像度で情報を収集し、一瞬のスパイク(負荷増大)も見逃さない
ブラックボックスの解消:内部動作が見えないレガシー資産であっても、外部からのリソース消費状況を詳細に追うことで、挙動の規則性を明らかにする
まとめ
レガシーモダナイゼーションの成功は、単なるコードの書き換えではなく、その後の安定運用を見据えた「可視化」の徹底にかかっています。
3つの正体を暴く:不透明なコード、未知の性能劣化、属人化をデータによって排除する
戦略的な移行:自社に最適な手法を選び、段階的にリスクを抑えて進める
フルスタック監視の導入:移行後の問題を即座に特定できる「exemONE」のようなツールを導入し、運用を最適化する
モダナイゼーションへの不安を自信に変えるためには、まず現状のシステムを正確に「見る」ことから始まります。
「exemONE」の詳細は、以下から確認してください。

