catch-img

神保町テック便り : 重いSQLはどれ?Top N分析で負荷の実態を見抜く

目次[非表示]

  1. 1.トラブルはなくても、重いSQLはある
  2. 2.Top N Analysisとは?
  3. 3.指標を切り替えて、さまざまな視点で分析
  4. 4.SQLの詳細な調査にもスムーズに連携
    1. 4.1.SQL Text
    2. 4.2.Trend
    3. 4.3.History
    4. 4.4.Plan
  5. 5.どんな場面で使える?
  6. 6.“予兆を見つける”ではなく、“変化を観察する”という習慣
  7. 7.最後に

こんにちは、日本エクセムです。
神保町テック便りの第4回では、exemONE の分析ビュー「Top N Analysis」をご紹介します。
毎日大量に実行されるSQLの中から、「今、調査すべきSQLはどれか?」を絞り込むのに非常に有効な機能です。

トラブルはなくても、重いSQLはある

パフォーマンス問題が表面化していないからといって、システムが効率的に動いているとは限りません。
気づかないうちに、「処理が重くなっているSQL」や「実行回数が異常に増えているSQL」が存在し、全体のリソース消費や応答性能にじわじわと影響を与えているケースは少なくありません。

特にクラウド環境では、リソースの使用量がそのままコストに直結するため、「重い処理を放置しない」ことが重要な運用課題になります。
目に見える障害が起きていなくても、日々の無駄なリソース消費を減らすことが、性能改善とコスト最適化の両面に効いてきます。

そんなときに活躍するのが、Top N Analysisです。

Top N Analysisとは?

Top N Analysis は、指定した時間帯に実行された SQL の中から、負荷の高いものをランキング形式で表示するビューです。
exemONE が取得した統計データに基づいて、SQLごとのパフォーマンス指標を一覧化し、調査対象の優先順位を視覚的に把握できます。

指標を切り替えて、さまざまな視点で分析

ランキングは、以下のような指標で並び替えることが可能です

  • Elapsed Time(実行時間)
     → 時間のかかっているSQLを特定
  •  CPU Time(CPU使用時間)
     → CPUを多く利用しているSQLを特定
  • Buffer Gets(バッファ読み取り数)
     → データベースバッファキャッシュからの読み取りが多いSQLを把握
  • Disk Reads(ディスク読み取り数)
     → ディスクからのデータ読み取りが多いSQLを把握
  • Executions(実行回数)
     → 実行頻度が高いSQLを把握

このように、単純な「重さ」だけでなく、「多さ」や「効率の悪さ」に着目した多角的な分析が可能です。

◆ ランキングの表示条件は様々な条件を指定することができます

SQLの詳細な調査にもスムーズに連携

ランキングに表示されたSQL_IDのリンクをクリックすると、そのSQLの詳細が確認できる画面に遷移できます、各種情報はタブで切り替えることができます。

これにより、単なるランキング表示にとどまらず、「なぜ重いのか?」を追求する調査へとシームレスに移行できます。

SQL Text

対象SQLの全文を確認することができます。

Trend

対象SQLの実行統計を確認することができます。

History

対象SQLを10分毎に集計した実行統計を確認することができます。

Plan

対象SQLの実行計画を確認することができます。

どんな場面で使える?

Top N Analysis は、次のようなシーンで特に威力を発揮します

  • 急に負荷が高くなった時間帯で、**「何が実行されていたのか?」**を特定したいとき

  • SQL チューニングの対象を、影響の大きいものから優先的に絞り込みたいとき

  • 実行回数の多い SQL の中から、見直すべき非効率な処理を見つけたいとき

加えて、Oracle Database、PostgreSQL、MySQL、Microsoft SQL Serverなど、異なるデータベース製品でも共通の分析手法で調査できるのも、大きな特長です。
オンプレミスでもクラウドでも、データベースの種類や環境に左右されることなく、同じ画面・同じ操作で分析できるため、チーム内でのノウハウ共有や運用効率の向上にもつながります。

SQL の“量”と“質”のインパクトを客観的に比較できるこのビューは、分析の出発点として非常に有効な機能です。

“予兆を見つける”ではなく、“変化を観察する”という習慣

重要なのは、「予兆を探す」のではなく、日々の変化に自然と気づける“観察の習慣”を持つことです。
Top N Analysis で定期的にSQLの傾向を確認することで、重大な障害の前兆になりうる“ちょっとした違和感”に早期に気づけるようになります。

可観測性(オブザバビリティ)は、障害が起きてからの調査のためだけではありません。
日々の運用の中で気づいた変化が、将来のトラブルを未然に防ぐ重要なヒントになるのです。

最後に

SQLがシステム全体のパフォーマンスやコストに与える影響は、思っている以上に大きいものです。
Top N Analysis を活用することで、重い処理や異常な傾向を見逃さず、適切なチューニングや調査にスムーズに着手できます。

日々の運用のなかで変化に気づくことが、将来的な障害やリソースの無駄を未然に防ぐことにもつながります。
小さな違和感を見逃さず、観察を続けることが、安定したシステム運用の第一歩です。

どうぞ次回もお楽しみに!

CONTACT

他社に頼らず自社でデータベースを監視・運用をしませんか?
MaxGaugeがサポートします

お役立ち資料は
こちらから

不明点がある方は、
こちらからお問い合わせください

お電話でのお問い合わせはこちら

平日 10時~18時

人気記事ランキング

タグ一覧