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Oracle 19c延長サポート期限に備える!移行リスクと今すぐ取るべき対策を徹底解説

Oracle Database 19cのプレミアサポートは、2029年の12月末で終了します。「まだ先」と思っている間に、システム老朽化や人材不足による運用リスクは確実に進行しています。今や延命対応では限界があり、安定性・セキュリティ・AI対応の観点からも、早期の移行・アップグレードが急務です。

本記事では、Oracle Database 19cのサポート状況から移行時に陥りやすいリスク、移行ポイントについて解説します。

なお、Oracleの基本情報については以下の記事で解説しています。

目次[非表示]

  1. 1.Oracle Database 19c のサポート状況と終了スケジュール
    1. 1.1.プレミアサポート終了と延長サポートの正式終了時期
    2. 1.2.多くの企業が直面している「延命対応」の限界
  2. 2.今、アップグレード・移行を検討すべきメリット
    1. 2.1.次期バージョンによる可用性・セキュリティ・自動化機能の進化
      1. 2.1.1.最新リリース「Oracle AI Database 26ai」の注目ポイント
    2. 2.2.クラウド移行がもたらす柔軟性と持続的運用の重要性
  3. 3.Oracle 19c 移行時に陥りやすい落とし穴
    1. 3.1.現行環境の可視化不足による移行リスクの見落とし
    2. 3.2.性能劣化・業務停止を招く誤ったパラメータ設定
    3. 3.3.社内DB人材の不足と属人化による継続運用の限界
  4. 4.日本エクセムの一気通貫型支援:移行計画から安定運用まで
    1. 4.1.現行環境の性能・構成を「見える化」するMaxGauge
    2. 4.2.技術支援による最適な移行計画と性能チューニング
    3. 4.3.SmartDBA による移行後の稼働診断・継続改善支援
  5. 5.Oracle 19cからの移行ポイント
    1. 5.1.現行DBの性能・稼働状況を正確に診断する
    2. 5.2.データ構成・依存関係の分析と移行計画策定
    3. 5.3.検証→移行→稼働安定化→継続的アップグレードの実践
  6. 6.まとめ

Oracle Database 19c のサポート状況と終了スケジュール

Oracle Database 19cは、Oracle Database 12cシリーズの最終リリース(Long Term Release)として、多くの企業システムで採用されています。しかし、サポート期限は刻一刻と迫っています。

ここでは、Oracle 19cのプレミアサポートおよび延長サポートの終了スケジュールと、企業が直面している延命対応の限界について整理します。

プレミアサポート終了と延長サポートの正式終了時期

Oracle 19cのサポートは、以下の2段階に分けて提供されています。

サポート区分

提供内容

終了予定時期(2025年11月現在)

プレミアサポート(Premier Support)

不具合修正・セキュリティ更新・技術サポートを全面提供

2029年12月31日まで

延長サポート(Extended Support)

有償で提供
限定的な修正対応・セキュリティパッチ

2032年12月31日まで

上記のスケジュールからわかるように、2030年以降は延長サポートへの移行が必要となります。その後はサポート完全終了が予定されているので、早い段階での移行を検討しましょう。

なお、延長サポートはコスト負担が大きく更新対象も限定的なため、長期的な運用継続にはリスクが伴います。

画像引用元:Oracle Cloud Infrastructure データベース・クラウド:各バージョンのサポート期間

以前までは、Oracle Database 19cのPremier Supportのサポート期間は以前は2026年4月末までとされていました。今はさらに延長され、現在は2029年12月31日までとなっています。

一方でOracle Database 21cのPremier Supportは2027年7月末まで(Extended Supportの提供を除く)であるため、19cの方がサポート期間が長いといえます。

<延長サポートに頼る場合の主な制約>

  • 有償契約が必要(通常、年間サポート費用の20〜30%増)

  • 一部パッチや機能改善の対象外

  • セキュリティ対応のタイムラグが発生する可能性

そのため「まだ期間が残っている」という理由で延命を続ける判断は、中長期的にはシステム全体のリスク増大につながります。

出典:Oracle Cloud Infrastructure データベース・クラウド:各バージョンのサポート期間

多くの企業が直面している「延命対応」の限界

近年、国内外の多くの企業では19c環境の延命を目的に「部分的なアップデート」や「最小限のパッチ適用」で対応するケースが増えています。しかし、あくまでも延命策であるため以下の問題点があります。

サポート切れによるセキュリティリスクの増大

セキュリティパッチが適用できなくなり、ゼロデイ攻撃への脆弱性が高まる

OS・ハードウェアとの非互換化

新OSや仮想化基盤への対応が困難となり、将来的な移行コストが急増する

アプリケーション依存関係の複雑化

古いバージョンに合わせた独自修正や非推奨機能の残存により、移行難易度が上昇する

上記の背景から、Oracle 19cのサポート期限を機に早期のアップグレードまたはクラウド移行を検討する企業が急増しています。延命対応ではなく、将来を見据えた持続可能なDB運用へシフトすることが必須です。

今、アップグレード・移行を検討すべきメリット

Oracle Database 19cのプレミアサポート終了が2029年末に迫るなか、企業に求められているのは「延命」ではなく「持続的なアップデート」です。サポート期限の直前になってから移行を検討すると、コスト・工期・リスクが一気に膨らみます。今からアップグレードやクラウド移行を計画することで、安定稼働と将来の拡張性を両立可能です。

次期バージョンによる可用性・セキュリティ・自動化機能の進化

Oracle Database 23ai(次期長期サポート版)では、可用性・セキュリティ・運用効率のすべてが大幅に進化しています。次期バージョンへの移行は単なるバージョンアップではなく、企業IT基盤の競争力を高めるための投資といえます。

<主な技術的メリット>

分類

改善ポイント

効果

可用性(Availability)

マルチテナント構成(CDB/PDB)の安定化、Data Guardの自動フェイルオーバー強化

障害発生時の復旧時間を最小化し、業務継続性を確保

セキュリティ

透過的データ暗号化(TDE)の標準化、強化された監査ログ機能

データ漏えい対策・監査対応の強化

自動化

自動統計収集・自動チューニング・SQL計画管理の強化

DBA業務の属人化を軽減し、運用コストを削減

性能

メモリ最適化、並列処理性能の向上

トランザクション・分析処理の両面で高速化を実現

さらに最新リリースの「26ai」には、AIネイティブな機能が取り込まれています。26aiに関する詳細は、以下で詳しく解説します。

最新リリース「Oracle AI Database 26ai」の注目ポイント

2025年10月14日、オラクルは「Oracle AI Database 26ai」を発表しました。Oracle AI Database 26aiはデータベースそのものにAIを組み込み、トランザクションから分析、開発・運用までデータ×AIを一体で扱えるよう設計された次世代版です。

AIベクトル検索と以下を統合し、プライベートデータと公開情報を横断して高度な回答を導くエージェント型AIの実行を支えます。

  • リレーショナル

  • JSON

  • テキスト

  • グラフ

  • 空間検索

26aiは長期サポート版として23aiの後継に位置づけられ、2025年10月のリリースアップデート適用だけで主要機能に切り替えられます。再認証や大掛かりなアップグレードを伴わず移行できる点も特長です。
量子耐性暗号(ML-KEM)を通信に実装し、保存データの量子耐性暗号化と合わせて将来脅威に備えるデータ保護も強化されています。

出典:日本オラクル公式プレスリリース「Oracle AI Database 26aiがAIデータ革命を加速

クラウド移行がもたらす柔軟性と持続的運用の重要性

オンプレミスからクラウド(Oracle Cloud Infrastructure)への移行を併せて進めることで、運用の柔軟性・スケーラビリティ・持続性が一気に高まります。以下が主なポイントです。

スケーラビリティとコスト最適化

ピーク時だけ必要なリソースを確保し、無駄な設備投資を抑制する

最新バージョン・パッチの適用が容易

クラウド運用により、サポート期限やバージョン制約から解放されやすい

特に26aiがクラウド・マルチクラウド環境に対応している点は、クラウド移行検討の強力な追い風となります。

Oracle 19c 移行時に陥りやすい落とし穴

Oracle 19cからの移行は、単なるデータ移動ではありません。既存のシステム構成やパラメータ設定、依存関係を正確に把握しなければ、性能劣化や業務停止といった重大リスクを招く可能性があります。

ここでは、実際の移行プロジェクトで多発する「見落としがちな落とし穴」について解説します。

現行環境の可視化不足による移行リスクの見落とし

多くの移行失敗事例の根底には、「現行DB環境の把握不足」があります。現状の構成・負荷・パフォーマンス特性を定量的に可視化しないまま移行を行うと、想定外の性能低下や障害が移行後に発生します。

可視化不足が招く主なリスクは、以下のとおりです。

非推奨機能・旧パラメータの見落とし

19cで使用可能だった一部パラメータなどが、新バージョンでは廃止または動作変更(アプリケーション動作に影響する)

依存関係の未整理

外部ストレージ・連携ミドルウェア・アプリケーションサーバとの接続設定を整理せず移行すると接続障害を引き起こす

現行負荷特性の把握不足

業務ピーク時のCPU/I/O使用率やSQL負荷を分析していないと、新環境でリソース不足が発生する

性能劣化・業務停止を招く誤ったパラメータ設定

移行後に最も多いトラブルの一つが「パフォーマンスの急激な低下」です。原因の多くは、旧環境からのパラメータ引き継ぎやチューニングミスにあります。

よくある設定ミス例は、以下を参照してください。

項目

誤設定の内容

結果

PGA_AGGREGATE_LIMIT

新環境のメモリサイズを反映せずに旧値を踏襲

並列処理のパフォーマンス低下

OPTIMIZER_FEATURES_ENABLE

バージョン固定により新しい最適化機能を無効化

SQL実行計画の劣化、クエリ遅延

UNDO_TABLESPACE

自動拡張を無効化

大量更新時のエラー発生

REDOログサイズ

小さすぎる設定

ログ切替頻発によるI/O遅延

上記の設定はテスト環境では気づきにくく、本番稼働後に初めて性能劣化として表面化します。移行時は「現行の実績値」と「新環境のリソース構成」を比較し、パラメータを再設計しましょう。

社内DB人材の不足と属人化による継続運用の限界

多くの企業では、長年オンプレミス環境でOracle Databaseを運用してきた結果、データベース管理の「属人化」が進んでいます。特にOracle 19cのように安定稼働期間が長いバージョンでは「問題なく動いているから」として体制強化やナレッジ共有が後回しにされる傾向が強く、気づかぬうちに深刻なリスクを抱え込んでいるケースが少なくありません。

属人化が進む背景には日常運用の多忙さに加え、熟練DBAの高齢化と新規人材の不足という構造的な問題があります。クラウド技術や自動化運用が主流となる中で、若手エンジニアがオンプレミスDBの深いチューニングや障害対応を学ぶ機会は減少傾向です。結果として「わかる人が一人しかいない」状態が生まれてしまい、担当者の異動や退職が運用リスクに直結します。

属人化は単なる人員の問題ではなく、企業の情報基盤全体の持続性を左右する経営課題です。今後は、技術・人・仕組みの3つの側面から、組織的な運用体制の再構築が求められています。

日本エクセムの一気通貫型支援:移行計画から安定運用まで

Oracle Database 19c からの移行は単なる更新ではなく「運用の再設計」といえます。しかし、既存環境の複雑化や属人化が進む中で、自社単独で安全かつ効率的に移行を進めることは容易ではありません。

そこで注目されているのが、日本エクセムによる一気通貫型のDB移行支援サービスです。計画立案から移行後の安定稼働・継続改善まで、専門知識とツールを組み合わせて包括的にサポートします。

現行環境の性能・構成を「見える化」するMaxGauge

移行を成功させる第一歩は、現行環境の正確な把握です。日本エクセムが提供するデータベース監視・分析ツール「MaxGauge(マックスゲージ)」は、Oracle をはじめとする主要DBの性能状況をリアルタイムかつ過去に遡って可視化できます。

<MaxGauge の主な特長>

機能領域

概要

移行支援での効果

性能モニタリング

セッション単位・SQL単位でCPU、I/O、待機イベントを可視化

現行環境のボトルネックを正確に把握

過去データ再生

任意時点の負荷状況を再現可能

問題発生時の原因分析や性能傾向分析に活用

リアルタイム監視

アラート通知・ダッシュボードで運用状況を一元管理

トラブルの早期検知と迅速対応

レポーティング

自動レポート生成による性能報告書作成

プロジェクト関係者間の共有・説明資料に活用

MaxGauge によって「現状を可視化」することで、どのSQLや設定が移行後のリスク要因となるかを事前に特定できます。結果、精度の高い移行計画の策定につながります。

技術支援による最適な移行計画と性能チューニング

次に重要となるのが、可視化の結果をもとにした「最適な移行設計」です。日本エクセムのエンジニアチームは、Oracle Certified Professional (OCP) などの資格を持つDB専門家で構成されており、長年にわたり数多くの大規模移行案件を支援してきました。

主な支援内容は、以下のとおりです。

  • 移行方式の選定(Data Pump / Transportable Tablespace / GoldenGate など)

  • バージョン差分検証(非推奨機能・互換性の確認)

  • パラメータ再設計とSQLチューニング

  • 移行検証テスト(性能・整合性・復旧)計画の立案支援

  • 移行実施時の伴走支援およびトラブルシューティング

日本エクセムの技術支援により、移行リスクを最小限に抑えながら安定かつ最適化された新環境の立ち上げを実現します。

SmartDBA による移行後の稼働診断・継続改善支援

移行完了後も、データベース運用は終わりません。むしろ「移行後の安定運用」と「継続的な最適化」が本当のスタートです。そこで活用されるのが、日本エクセムのDB運用支援サービス「SmartDBA(スマートディービーエー)」です。
SmartDBAの特徴は、以下を参考にしてください。

定期レポートと改善提案

MaxGaugeデータをもとに、性能改善ポイントや設定最適化案を定期的にフィードバック

DB課題の改善実行

定期レポートで発見された課題は、お客様と協議の上、改善実施も支援

マルチベンダー対応

Oracleに限らず、PostgreSQL・SQL Serverなど複数DBを一括管理

運用標準化の支援両立

運用手順・フローなどの見直し、改善などを支援し属人化を防止

移行から運用・改善までをワンストップで支援する体制により、企業は自社のITリソースを本来の業務価値創出へ集中させられます。

Oracle 19cからの移行ポイント

Oracle 19cから最新バージョン(23ai・26ai など)への移行は、技術面だけでなく業務プロセス全体への影響を考慮した「計画性」が不可欠です。ここでは、Oracle 19cからの移行ポイントを紹介します。

現行DBの性能・稼働状況を正確に診断する

最初のステップは、現行環境の見える化と現状把握です。移行の成否が大きく左右されるので、以下の目的・項目をしっかり把握しておきましょう。

<診断の目的と主な確認項目>

分析対象

目的

代表的なツール/手法

性能情報

負荷傾向・ボトルネックの特定

MaxGauge・AWRレポート分析

構成情報

バージョン・パラメータ・依存関係の把握

SQL*Plus・OEM・DBAビュー

稼働状況

ピーク時負荷や接続数、トランザクション量

Statspack・SQLトレース

非推奨機能

新バージョンで廃止される機能の洗い出し

Oracle Upgrade Guide

上記の診断により、どの部分が移行時のリスク要因になり得るかを早期に特定できます。特に、属人化した運用や手動チューニングが行われている場合は、可視化を通じて仕様を明確化することが重要です。

データ構成・依存関係の分析と移行計画策定

続いて行うべきは、依存関係とデータ構成の洗い出しです。アプリケーション・スキーマ構成・外部連携など、環境全体を俯瞰して移行方針を設計します。具体的な設計ステップは、以下を参考にしてください。

1.依存関係マッピング

  • 外部連携システム(ETL・BI・APサーバなど)の把握
  • ストレージ・ネットワーク要件の確認

2.移行方式の選定

  • オンライン移行(Oracle GoldenGate)
  • オフライン移行(Data Pump・RMAN)
  • ハイブリッド方式(クラウド連携など)

3.互換性検証とパラメータ調整

  • Optimizer動作変更点の検証
  • 非推奨構文やデータ型の対応

4.移行スケジュール・リハーサル計画策定

  • 本番移行までのフェーズ分け
  • ロールバックシナリオの事前準備

検証→移行→稼働安定化→継続的アップグレードの実践

移行プロジェクトの後半では、テストと安定化のプロセスが成否を左右します。特に、性能劣化やデータ整合性の十分な検証が、安定稼働への最短ルートです。

<ステップ別の推奨プロセス>

フェーズ

主な作業内容

成功のポイント

検証

テスト環境での性能・機能・互換性テスト

本番相当のデータ・負荷で実施

移行

オフピーク実施、段階的リリース

切替時間と影響範囲を最小化

稼働安定化

パフォーマンス監視、初期チューニング

MaxGaugeでリアルタイム分析

継続アップグレード

定期的なパッチ/マイグレーション対応

SmartDBAによる自動監視+報告体制

単発の移行で終わらせず、継続的な改善を前提としたライフサイクル設計を行うことで長期的な安定運用が可能になります。

まとめ

Oracle Database 19c のサポート終了が視野に入る中、今後は延命対応ではなく「継続的なアップデート」を前提とした運用体制へのシフトが必須です。最新世代 Oracle 23cやAI を融合した 26ai では、可用性・セキュリティ・自動化といった要素が大きく進化し、クラウド環境との親和性もさらに高まっています。

しかし、移行を成功させるには、まず現行システムの可視化や属人化の解消といった入念な準備が欠かせません。日本エクセムのMaxGaugeによる性能分析とSmartDBA のリモート監視を組み合わせることで、移行フェーズから安定稼働までを一気通貫でサポート可能です。

Oracle 19cのサポート終了を「節目」としてではなく「持続可能なデータベース運用への新たな出発点」として捉えることが求められています。

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