
MaxGaugeではじめるパフォーマンス管理 ~第3回:MaxGaugeの機能概要 1~
目次[非表示]
- 1.MaxGaugeの2大機能
- 1.1.リアルタイムモニタ
- 1.2.パフォーマンスアナライザ
- 2.リアルタイムモニタ
- 2.1.画面構成
- 3.リアルタイムモニタの便利な機能の紹介
- 3.1.アクティブセッション
- 3.2.指標トレンド
- 3.3.SQL実行時間
- 3.4.他のフレームや機能
前回のおさらいと今回のテーマ
こんにちは、MaxGaugeの製品担当です。
前回は、MaxGauge for Oracle のシステム構成やデータ収集方法といったアーキテクチャの概要について説明しました。
今回は、MaxGauge for Oracle が収集したデータを使って、Oracleデータベースの稼働状況が「どのように見えるのか」「どのように分析できるのか」といった観点から、主な機能の概要をご紹介します。
MaxGaugeの2大機能
MaxGaugeには、大きく分けて「リアルタイムモニタ」と「パフォーマンスアナライザ」の2つの主要な機能があります。
リアルタイムモニタ
リアルタイムモニタは、MaxGaugeに登録された監視対象データベースの現在の稼働状況をリアルタイムに表示する機能です。
パフォーマンスアナライザ
MaxGaugeが収集した監視対象データベースの稼働情報は、MaxGaugeサーバに保存されます。
この保存されたデータをもとに、過去の状況を分析できる機能が「パフォーマンスアナライザ」です。
リアルタイムモニタ
アルタイムモニタは、監視対象のデータベースの稼働状況をリアルタイムに可視化する機能です。具体的には、以下のような場面で活用されることが多くあります(※一例です)。
アプリケーションの処理遅延が発生しており、データベース側の処理状況を確認したい
実行したSQLが終了せず、原因を調査したい
管理ツールから「CPU使用率が高い」といったアラート通知を受け、状況を確認したい
イベント開催など、アクセス集中が予測されるタイミングでの監視体制強化に利用したい
MaxGaugeのGUI画面から、データベースの負荷状況やボトルネックを視覚的に確認できるため、
問題箇所を短時間で特定し、初動対応を迅速に行うことができます。
画面構成
リアルタイムモニタの画面は、デフォルトで3秒ごとに自動リフレッシュされ、常に最新の情報を表示します。画面は「フレーム」と呼ばれる単位で構成されており、複数のフレームを自由に組み合わせてレイアウトをカスタマイズすることが可能です。作成したカスタム画面は保存して、後からいつでも呼び出すことができます。
リアルタイムモニタの便利な機能の紹介
リアルタイムモニタには様々な機能、フレーム、ビューが準備されています、データベースの稼働状況を確認するのに便利な機能の一部を紹介します。
アクティブセッション
リアルタイムモニタでもっともよく利用されるのが、「アクティブセッション」フレームです。「アクティブセッション」は、SQLを実行しているセッションの情報をリスト形式でリアルタイムに表示する機能で、「今、データベースでどんなSQLが実行されているのか確認したい」といった場面で活躍します。
また、気になるセッションはダブルクリックで詳細を確認することができ、さまざまな角度から調査・操作が可能です。

【アクティブセッションの活用ポイント】
SQLを実行しているユーザー名やホスト名が一覧表示されます(Excel形式でエクスポートも可能)
実行中のSQLに対して、現在発生している待機イベントをリアルタイムで表示
表示される列を並べ替えることで、CPU負荷の高いセッションなどをすばやく特定できます
セッションごとの統計情報もリスト上に表示
セッション詳細から、現在実行中のSQLの実行計画を表示できます
必要に応じて、[強制終了] または [接続切断] ボタンでSQLを停止できます(※ボタンの有効/無効はユーザー権限で制御)
セッション詳細から、[トレースオン]/[トレースオフ] ボタンでセッショントレースの取得も可能です
指標トレンド
MaxGaugeでは、Oracleの「システム統計値」「待機イベント」「OS指標」を取得しており、リアルタイムモニタでもこれらの値をグラフで表示することが可能です。これらは「指標トレンド」フレームで表示され、直感的に傾向を把握することができます。
監視対象の Oracle に対しては、「システム統計」「待機イベント」のすべての項目を取得しています。
たとえば Oracle 19c 環境では、システム統計値は約2,000種類、待機イベントは約900種類の情報をすべて取得し、グラフで確認できます。
【指標トレンドの活用ポイント】
全項目を収集しているため、「調べたい情報が取得できていなかった」といった抜け漏れがありません。
すべてのシステム統計・待機イベントにアラートを設定することができ、閾値を超えた指標は枠がオレンジや赤で表示され、異常を即時に確認できます。
各グラフはクリック可能で、関連情報にドリルダウンできます。たとえば「論理読取ブロック数(session logical reads)」のグラフをクリックすると、論理読取が多い順にSQLを実行しているセッション一覧が表示されます。
ロックツリー
ロック待機が発生しているセッションがある場合、ロックの状態をツリー形式で視覚的に表示することができます。ツリーの最上位にはロックを保持しているセッション(ロックフォルダ)が表示され、その下に、ロック待機中のSQL(セッション)が階層構造で表示されます。
【ロックツリーの活用ポイント】
ロック関係がツリー状で表示されるため、ロック待機の原因となっているSQLやセッションを直感的に把握できます
DBAだけでなく、アプリケーション開発者や運用担当者でも、ロックの影響範囲や原因を容易に特定することが可能です
SQL実行時間
処理が終了したSQLについて、開始時刻と終了時刻、および実行時間を散布図形式のグラフで表示します。
これにより、実行時間が長いSQLを視覚的に把握することができます。
【SQL実行時間の活用ポイント】
SQLの実行時間をグラフ上で直感的に確認できます
実行時間の長いSQLを簡単に特定し、調査対象として絞り込むことができます
他のフレームや機能
リアルタイムモニタには、これまでご紹介した「アクティブセッション」「指標トレンド」「ロックツリー」「SQL実行時間」以外にも、多様なフレームやビュー、便利な機能が多数搭載されています。
今回ご紹介しきれなかった機能については、製品マニュアルに詳しく記載されていますので、あわせてご参照ください。
MaxGauge for Oracle リアルタイムモニタ マニュアル
まとめと次回予告
今回は、MaxGaugeの2大機能のうち1つ目である「リアルタイムモニタ」の機能概要をご紹介しました。
リアルタイムモニタには、今回ご紹介した機能以外にも多くの便利な機能が搭載されています。
紹介しきれなかった機能については、今後別の機会に改めてご紹介していきたいと思います。
次回は、MaxGaugeのもう一つの主要機能である「パフォーマンスアナライザ」について、機能概要を中心にご紹介する予定です。