
1年以上私たちを悩ませている コロナウイルス。ウイルスのため、各種「菌」への関心も高まっています。
図書≪総・菌・牛≫ で スペイン征服者たちが天然痘ウイルスを拡散させてヨーロッパとアメリカの歴史を変えたように、 コロナウイルスが今後世界の未来を変えるだろうと見ているからです。
しかし、コロナ19感染よりもはるかに多くの死者を産んだ微生物があります。
まさに「バクテリア」です。
世界で1,700万人が死亡した第一次世界大戦当時も、死者のほとんどが細菌による破傷風として死亡しました。
20世紀初めになってこそ、バクテリアを倒す抗生物質を発見しましたが、まさに「ペニシリン」です。

ペニシリンは1927年にイギリスの「アレキサンダーフレミング」によって発見されました。
フレミングがペニシリンを発見したのはよく知られているように、純粋に偶然でした。
当時、フレミングはイギリスのセントメアリー病院で真菌を培養して滅菌能力を持つ物質を探す研究を行っていました。
最後に、フレミングが働いていた研究室のすぐ下の階には、真菌でアレルギーワクチンを作る研究が盛んでした。
この研究室で使用していた真菌の一つが偶然にブドウ球菌が培養されていたフレミングの培養皿に行って座ることになりました。
青いカビとしてよく知られている「ペニシリウムノタチウム」でした。
青いカビで汚染された部分にブドウ球菌が生きていないという事実は、フレミングが夏休みから戻ってきた後にしか知られていません。
当時、フレミングはインキュベーションプレートをインキュベーターに入れることを忘れ、実験台の上に置いて休暇を残しました。
涼しい天気が続いたその年の夏は、カビが増殖するのにぴったりの環境でした。
フレミングは、さらなる研究を通して、この真菌が産生するどの物質が強力な抗菌作用をしていることを発見し、青い真菌から物質を分離することに至りますが、この物質がまさに「ペニシリン」です。
フレミングはペニシリンがブドウ球菌だけでなく、連鎖球菌、イムギル菌、脳膜炎菌、ジフテリア菌など恐ろしい感染症を引き起こす病原菌に抗菌効果があることを発見しました。
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1927年の最初の発見以来、ペニシリンは 第二次世界大戦中に商業化に成功し、1943年から使用され始め、1944年からは民間でも使用され、数多くの感染症患者の命を救うことができました。
ペニシリンのおかげで、第二次世界大戦直前だけでも50歳くらいだった人類の期待寿命が今日100歳時代を眺めることになったので、人類史上最も重要な薬といっても過言ではありません。
フレミングの偶然の発見により、ペニシリンは貴重な資源になりました。イノベーションは価値を創造することだと言いました。「ペニシリン」という革新事例は、数多くの人の命を生かす価値を創出し、世界を変えました。この新しい価値を生み出す「イノベーション」は、必ずしも新しい技術に基づいているわけではなく、物質的なものである必要もありません。